さっぽろ西線クリニック|内科・消化器内科・肝臓検査・内視鏡検査

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胃カメラ検査

「上部消化管内視鏡検査」もっと気軽に受けられる胃カメラを目指して、当クリニックでは限りなく「痛くない」、「苦しくない」そして「また受けても良い」と思っていただける内視鏡検査を目指しております。当クリニックにはより安心して検査を受けていただけるよう、日本消化器内視鏡学会専門医、消化器内視鏡技師が勤務しております。

胃カメラとは

口や鼻から内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜の状態を確認し、病変がないかを調べる検査です。しなやかで細い内視鏡スコープの先端にはカメラとライトがあり、消化器の内部を高精度モニターに映し出して観察します。また、病気の可能性が疑われる組織はその場で採取して確定診断に繋げることができます。
検査時間は5分~10分程度です。

【苦しくない胃カメラを目指して】

胃カメラと聞くと「辛い」、「苦しい」、「痛い」という印象があると思います。なぜ胃カメラは苦しいのでしょうか?
胃カメラが苦しいのはのどの奥にものがあたったときに起こる「オエッ」となる咽頭反射(いんとうはんしゃ)が原因です。また、検査中の咳や唾液なども苦しい原因になります。

当クリニックでは「苦しくない胃カメラ」を目指して次の点に配慮して検査を行います。

鼻からの胃カメラ

「鼻からの胃カメラ」は、経鼻内視鏡と呼びます。当クリニックで導入している経鼻内視鏡で用いるスコープは直径5㎜程度で通常のスコープに比べノドの刺激が少ないです。また、「口からの胃カメラ」にくらべ「鼻からの胃カメラ」は舌根を刺激しにくい経路を通るため咽頭反射が起きにくく、検査をしながら会話をしたり、モニターに映し出されるご自身の映像をご覧になるなど、リラックスした状態で検査を勧めることができます。
※ご希望や状況によっては経口で検査することがあります。

経鼻内視鏡

※「鼻からの胃カメラ」をおすすめできない方

【眠っている間に終わる検査】

当クリニックでは、鎮静剤でウトウトと眠っているような状態のまま検査を受けることができます。「辛い」、「苦しい」、「痛い」といったようなことを感じることなく、検査が終わります。検査後はリカバリールームで、意識がはっきりするまで30分程度お休みいただきます。

○鎮静剤を使用する際の注意点

このような方は胃カメラ検査をご検討ください

早期の胃がんは自覚症状がほとんどないため、胃カメラの検査以外で発見することは難しいです。そのため胃がんのリスクが上がる40歳以上の方は、定期的な検査をご提案します。

そのほか

等の方も検査をご検討ください。

【胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)で見つかる疾患】

①慢性胃炎、②胃潰瘍、③胃ポリープ、④胃がん、⑤逆流性食道炎等があります。

診療内容

内科

内科

消化器内科

消化器内科

胃カメラ

胃カメラ検査

大腸カメラ

大腸カメラ検査

肝臓

肝臓検査

超音波検査(エコー検査)

超音波検査
(エコー検査)

CT検査、大腸CT検査

CT検査
大腸CT検査

予防接種、健康診断

予防接種
健康診断

自由診療

自由診療

疾患解説ガイド

高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症・脂肪肝(MASH:代謝機能障害関連脂肪肝炎)・肝機能障害・慢性胃炎・胃潰瘍・胃ポリープ・胃がん・逆流性食道炎・大腸ポリープ・大腸がん・炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)の症状や予防、治療について。
高血圧
高血圧とは、心臓から送り出され、動脈の内壁を押す血液の圧力が、異常に高くなっている状態のことです。日本高血圧学会では、外来時に同条件で繰り返し測定し、収縮期血圧(最高血圧)が130mmHg以上、または拡張期血圧(最低血圧)が80mmHg以上という数値を示した場合に高血圧と診断するとしています。

高血圧の状態が続くと、血管が圧力に耐えるため、次第に厚くなり、柔軟性を失って硬くなっていきます。これが動脈硬化です。動脈硬化が進行すると、血管の内径が狭くなり、かつ傷つきやすくなります。そこにはコレステロールなどのプラーク(垢)が付着しやすくなり、さらに血管を狭めることになります。

【高血圧の症状】

高血圧では、ほとんど自覚症状はありません。ただし血圧が高いことによって、頭痛やめまい、鼻血などがみられる場合があります。しかし、高血圧で特に注意しなければならないのが合併症です。高血圧によって引き起こされる動脈硬化が進行すると、心臓、腎臓、眼などのさまざまな臓器に障害が起こり、脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる重篤な合併症の発症につながります。また、心臓や腎臓の機能が次第に低下していくことによって、心不全や腎不全に至り、呼吸困難や全身のむくみ、不整脈、貧血、骨の異常などを生じ、命に関わることも少なくありません。

【高血圧の予防・治療】

高血圧の治療にあたっては生活習慣の改善が必要となりますが、まず「減塩」が重要です。年齢が上がるにつれて血管の老化と動脈硬化が進むため、高血圧の人は増えます。そして加齢とともに進む高血圧はなかなか元に戻せません。血圧が上がる頃には、すでに後戻りできないほどに動脈硬化が進んでいるからです。そのため、若いうちに将来の血圧上昇に備えることが重要です。つまり減塩です。

塩分を摂り過ぎると血圧が上がるため、1日の塩分摂取量は「健康日本21(第二次)」では1日8g未満、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています。
また、腎臓からの塩分の排泄を進めるカリウムの摂取も勧められます。ただし、腎臓病がある場合は摂取量に注意する必要があります。また、体重を適正範囲に保つことも重要です。体格指数 BMI=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}を25kg/㎡未満にすることを目標にします。その他に、運動不足、睡眠不足、ストレス、過剰飲酒等の生活習慣も高血圧を引き起こしやすいので、それらを改善することも重要です。
高血圧の薬物療法は、降圧剤を用いて血圧を正常範囲にコントロールすることを目指します。降圧剤には、利尿薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、ARBなど様々な種類があり、それぞれ作用機序が異なります。
医師は、患者の年齢、他の疾患の有無、血圧の程度などを考慮し、最適な薬剤を選択、あるいは複数の薬剤を組み合わせて処方します。
そのため、薬物療法は高血圧の症状を速やかに改善できるというメリットがある一方、副作用が生じる可能性もあるのです。
高血圧治療のメリットは、脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎不全などの重篤な合併症のリスクを軽減できることです。また、高血圧に伴う頭痛やめまいなどの症状も改善され、生活の質の向上に繋がります。
一方で、デメリットとしては、薬物療法の場合、副作用が生じる可能性があること、生活習慣の改善には継続的な努力が必要であることが挙げられます。しかし、これらのデメリットを考慮しても、高血圧治療によるメリットは大きく、健康な生活を送る上で非常に重要なのです。さらに、治療による健康状態の改善は、人生の質を向上させることにも繋がると言えます。
糖尿病
糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などをおこすことがあります。

【糖尿病の症状】

症状がなく糖尿病になっていることに気がついていない方も多くいます。糖尿病では、かなり血糖値が高くなければ症状が現れません。
高血糖における症状は、
・喉が渇く、水をよく飲む
・尿の回数が増える
・体重が減る
・疲れやすくなる
などです。

糖尿病によるダメージは、全身の血管に与えられ、様々な合併症を引き起こします。大きな血管に動脈硬化などの障害が出ると、脳梗塞、脳出血、狭心症、心筋梗塞、末梢動脈疾患、足病変などを引き起こします。また糖尿病では微細な血管にも障害が起こり、「糖尿病三大合併症」とも言われる糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害などには特に注意する必要があります。
糖尿病性腎症
腎機能に障害が生じ、余分な水分や老廃物を体外に排出できず、透析が必要になる場合があります。日本の血液透析の原因第一位となっています。
糖尿病性網膜症
網膜を走行する血管に障害が生じ、最悪の場合失明する危険性があります。日本の中途失明原因の代表的な病気です。
糖尿病性神経障害
高血糖による神経細胞の変成や、動脈硬化により神経細胞への血流が滞ることで神経に障害が起こり、最悪の場合、下肢切断や全身性の感染症など命に関わる場合もあります。

【糖尿病の予防】

糖尿病を予防するための5つの対策は下記の通りです。
1.バランスの良い食事をする
2.適度な運動習慣を身に付ける
3.肥満を予防する
4.節酒・禁煙をする
5.定期的に健康診断を受ける

1.バランスの良い食事をする

エネルギーの三大栄養素である糖質(炭水化物)や脂質の摂りすぎは、2型糖尿病の発症リスクを高めます。炭水化物や脂質、タンパク質の割合は下記を目安にしましょう。
・炭水化物:40~60%
・脂質:20~30%
・たんぱく質:20%まで
食事量は上記を意識しながら、腹八分目にすることが大切です。また、野菜や海藻、きのこなどに含まれる食物繊維やマグネシウムは、2型糖尿病の発症リスクの低下が期待できるため意識的に摂取しましょう。

2.適度な運動習慣を身に付ける

適度な運動習慣は2型糖尿病の発症リスクを下げられます。歩行のような有酸素運動だけでなく、筋力トレーニングも効果的です。例えば下記のような運動です。
・ウォーキング:15~30分を1日2回
・立った状態のかかとの上げ下ろし:10~20回を1日2~3セット
ウォーキングは、1日の歩数が多いほど発症リスクが下がり、早歩きであればさらにリスクを下げる効果が期待できます。

3.肥満を予防する

日本人はBMI25(肥満指数)ほどの小太りでも2型糖尿病になりやすいです。BMIが1kg/㎡増えるごとに、男性・女性ともに発症リスクが17%上昇するといわれています。
一方で、生活習慣の改善とともに体重を2~3kg減少させれば、2型糖尿病の発症リスクを大きく低下できます。前述したバランスの良い食事や運動習慣を身に付けることで、肥満を予防しましょう。

出典:国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター

4.節酒・禁煙をする

2型糖尿病の発症リスクを上昇させないためには、節酒・禁煙は重要です。例えば清酒の場合、1日1合以上飲む人は飲まない人と比較して、1.3倍も2型糖尿病の発症リスクが高まるとされています。
喫煙する人(1日20本以上)と喫煙しない人を比較すると、男性で1.4倍、女性で3倍も2型糖尿病の発症リスクが高くなるとされています。

出典:国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター

5.定期的に健康診断を受ける

糖尿病の発症を予防するには、早い時期に血糖値をコントロールする必要があります。そのために定期的に健康診断を受けて、血糖値やHbA1c(ヘモグロビンと糖が結合している割合)などの数値が高くないかを確認することが大切です。

【糖尿病の治療】

糖尿病と診断された場合、特に進行していて合併症を引き起こす危険が認められる場合などは、薬による治療が必要となりますが、まず糖尿病の進行予防あるいは合併症を引き起こして重症化しないようにするために、生活習慣の改善に取り組むことも重要になります。

生活習慣の改善では、食習慣の見直しが大切です。過食や過度の飲酒に注意し、バランスの良い食事を規則正しくとる食事療法で、肥満を予防して、血糖値が高くならないよう気を付けることが重要になります。特に深夜の食事は血糖値を上げやすいと言われており、控えたほうがよいでしょう。

もうひとつ重要なのは運動療法です。これは糖を細胞に取り込む過程をコントロールしているホルモン「インスリン」が働きやすく、血糖値が高くなりにくい体を作るということです。肥満、特に内臓脂肪型の肥満ではインスリンが十分働かずに(インスリン抵抗性と呼ばれます)血糖値が高くなりやすく、一方、筋肉質の人ではインスリンの働きが高まり、血糖値が上がりにくいとされています。ウォーキングや体操、筋肉トレーニングなどの適度な運動を心がけ、筋肉を動かして体重を適切に保つことが糖尿病の進行予防には重要です。

合併症のリスクが高い場合は、食事療法や運動療法に加え薬物療法を行います。薬物療法の一つはインスリンによる治療です。これはⅠ型糖尿病の患者さま、およびⅡ型糖尿病の患者さまで、他の薬物療法で効果が十分にあげられなかった場合に、人工的にインスリンを投与するものです。自己注射によって行い、食事の管理も厳密に行われます。

インスリン以外による薬物治療としては、内服薬としてSU剤やグリニド系薬、ビグアナイド薬、α-GI、SGLT2阻害薬などがあります。これらはインスリンの分泌を促したり、その働きを高めたり、あるいは食後の糖の吸収を遅らせたり、血液中の糖を尿に排泄させたりと、各種、様々な効果が期待できるものです。また注射薬として血糖を下げるGLP-1受容体作動薬などもあります。これらの薬剤を、患者さまの状態に合わせて組み合わせ、使用していきます。
脂質異常症
脂質は体には欠かせない栄養素で、血液中にもコレステロールや中性脂肪などの脂質が含まれています。コレステロールは細胞膜や胆汁酸、ホルモンの材料になり、中性脂肪はエネルギーを体内に貯蔵ししたり体温を一定に保ったりする役割を担っています。しかしこの脂質が血液中において正常の濃度でなくなると、様々な障害を引き起こすもととなります。その場合、脂質異常症と診断されます。

【診断基準】

  • LDL(悪玉)コレステロール値≧140mg/dL(高LDLコレステロール血症)
  • 中性脂肪≧150mg/dL(高トリグリセライド血症)
  • HDL(善玉)コレステロール値<40mg/dL(低HDLコレステロール血症)

体の隅々までコレステロールが運ぶ働きをするのがLDL(悪玉)コレステロール、逆に体に余ったコレステロールが回収する働きをしているのがHDL(善玉)コレステロールです。また中性脂肪(トリグリセライド)は過剰に摂取するとエネルギーとして消費しきれず、肝臓や血中に蓄えられ、多くは皮下脂肪となって肥満の原因になります。

【脂質異常症の症状】

脂質異常症自体にはほとんど自覚症状はありません。ただし、血管内のコレステロールが内壁に付着すると、粥状の物質ができます。すると粥状動脈硬化と呼ばれる動脈硬化が起こります。動脈硬化が進行すると狭心症などが引き起こされます。さらに放置していると、粥状に硬化した部分にできていたプラークが破裂し、冠動脈が詰まって、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因となります。

さらに現在では、悪玉コレステロール(LDL)が小型化したsd-LDL(超悪玉)コレステロールの存在も知られています。小型化によって血管壁に入り込みやすくなり、血管壁に入ると酸化されて、動脈硬化を進行を促してしまい、心筋梗塞や脳梗塞等のリスクが高くなると考えられています。

動脈硬化

【脂質異常症の予防・治療】

生活習慣を起因とする脂質異常症の治療では、まず食習慣の改善による食事療法が重要となります。
  • 肉や卵、乳製品などの動物性脂肪はコレステロールや飽和脂肪酸を含むため、摂り過ぎないようにする。
  • 野菜やキノコ、海藻類など食物繊維を多く含む食物はHDL(善玉)コレステロールを上昇させ、中性脂肪を減らすとされるため、積極的に摂るようにする。
  • 豆腐、納豆など大豆製品は脂質を下げ動脈硬化抑制の働きがあり、タンパク質の摂取にもなるため、積極的に摂るようにする。
  • EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が含まれる青魚などは、動脈硬化予防の効果が期待されるため、積極的に摂るようにする。

その他では喫煙習慣が大きく関わっています、喫煙は善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールの酸化を促進して動脈硬化をさらに進行させるので、喫煙習慣のある方は、禁煙する必要があります。また過度の飲酒は中性脂肪を増やすため、飲酒は適量にしましょう。

脂質異常症の改善としては、運動習慣を見直していくことも大切です。運動は中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす効果がありますので、ウォーキングや体操などの適度な運動をすることをお勧めします。またストレスを受けた時に分泌されるストレスホルモンにはコレステロールを増やす作用があるとされています。なるべくストレスを溜めないことも重要です。

生活習慣の改善だけでは、脂質の値がコントロールできず、動脈硬化の進行による脳疾患や心疾患などの発症リスクが高まって、なるべく早期に脂質異常症を改善する必要がある場合は、薬による治療を行います。使用する薬としては、コレステロールを合成する酵素を阻害する薬、LDLコレステロールや中性脂肪を低下させる薬、EPA・DHA製剤等があります。
高尿酸血症
血液中に含まれる尿酸という物質の量が増え、血中の濃度を表す尿酸値が7.0mg/dlを超えた状態になると高尿酸血症と診断されます。尿酸とは、「プリン体」を分解したときにできる老廃物です。プリン体は核酸の主成分で、細胞の代謝や体を動かすエネルギーとして重要な物質のため、ほとんどの生物の細胞内に存在することから多くの食品に含まれています。特に肉や魚、鶏卵、魚卵、ビールなどに多く含まれ、「うまみ成分」としても知られています。

この尿酸は水に溶けにくい性質のため、血中濃度の高い状態が続くと、針状結晶の尿酸塩となりますが、とくに足の親指付近の関節に留まることが多く、強い炎症発作によって激痛を引き起こします。これが「痛風」と呼ばれる疾患です。高尿酸血症の患者さまは男性が圧倒的に多く、日本人の30歳以上の男性の約30%にみられるとされ、痛風による炎症発作の症状がある方の約90%が成人男性です。女性に少ないのは、女性ホルモンが影響していると考えられており、女性ホルモンが減少する閉経後には、女性でも高尿酸血症がやや増加する傾向にあります。

【高尿酸血症の症状】

高尿酸血症そのもので症状が現れることはありませんが、高尿酸血症が引き金となって痛風や腎臓結石などを発症すると自覚症状が現れます。

痛風の場合は、尿酸値の高い状態が続くことで、尿酸が結晶化し、足の親指の付け根のほか、膝やくるぶしなどの関節に蓄積され、それを異物とみなして免疫反応が起こることにより、強い痛みを伴った炎症が発生します。痛みのほかにも熱や腫れなどがみられます。ただし激しい痛みの発作は数日間続きますが、多くの場合、次第に収まります。高尿酸血症自体には自覚症状がないため、痛風が収まったからと言って放置し、高尿酸血症の治療をしないでおくと痛風の発作を繰り返し、関節が変形する、可動域が狭くなるなどの症状が出ます。

さらに尿酸塩の結晶が腎臓に溜まると、腎臓結石となります。その結石が尿管や膀胱に移動すると尿路結石となり、激痛を伴う症状が現れます。高尿酸血症が改善されず、結石が慢性化して繰り返すようになると、腎機能が低下したり、動脈硬化を促進して心筋梗塞や脳梗塞などの合併症のリスクが高まったりしてしまいます。

【高尿酸血症の予防・治療】

普段の生活で気を付けていただきたいのは、肉・魚介類を取りすぎないことです。
具体的には、食事、アルコール合わせて、プリン体は400mg以下の摂取とすること。また水分不足にならないよう、意識的に水分(水やお茶)を摂取することです。
また過剰な低糖質ダイエットで、肉魚に偏り、尿酸値が上がるケースをよく見ます。過度な低糖質ダイエットはさけ、野菜、炭水化物、たんぱく質、脂質のバランスの良い食事をとることを心掛けましょう。
運動は、生活習慣を改善し、肥満防止のために良いですが、無酸素運動のような短時間での過度な運動は、かえって尿酸値を上昇させるため、高尿酸血症の方には好ましくありません。
歩行やジョギング、サイクリングなどの、有酸素運動がおすすめです。
上記で挙げた生活習慣の改善だけでは、尿酸値が下がらないという場合は併行して薬物療法を行っていきます。患者さんのタイプによって、尿酸の産生を抑制する薬(アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタット 等)、もしくは尿酸の排出を促進させる薬(ドチヌラド、ベンズブロマロン、プロベネシド)が用いられます。
MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)
以前は肝細胞の3分の1以上に脂肪がたまっている状態を脂肪肝と呼んでいましたが、最近は5%以上の肝細胞に脂肪がたまっていれば脂肪肝と診断しています。
脂肪肝というと「お酒の飲み過ぎが原因では?」と思う人も多いのではないでしょうか。
しかし実は、飲酒量の多くない人(日本酒換算で1合/1日以下)、あるいは全く飲まない人でも、脂肪肝になる人がたくさんいます。国内では、お酒をあまり飲まないのに脂肪肝になる患者さんは2000万人以上にものぼると推定されています。

こうした患者さんのうち約20%の人は、脂肪肝と同時に肝組織に炎症、線維化を起こし、MASH(マッシュ/代謝機能障害関連脂肪肝炎:Metabolic dysfunction Associated Steatohepatitis)と呼ばれる状態になっています。また、MASHはもともとNASH(ナッシュ/非アルコール性脂肪肝:Non-alcoholic Steatohepatitis)という名称でしたが、実際はアルコール性の有無だけでなく、糖尿病や肥満、脂質異常症などの代謝異常も深く関連しているため、2023年よりMASHに名称が変更されています。

肝臓の病気と言えばお酒の飲み過ぎやウイルス性に感染することによる肝炎を思い浮かべる人が多く「脂肪肝くらいなら大丈夫」だと考える人が多いかもしれません。実際にお酒を飲まない人の脂肪肝は、単に脂肪がたまっているだけなら大きな問題は生じないことも多いといわれています。しかし、炎症、線維化を伴うMASHに進行すると、肝硬変に進行してしまう可能性が出てきます。肝硬変になると、肝不全や肝がんで亡くなる可能性がとても高くなります。
そのため、食事療法や運動療法、薬の投与を行ない、MASHの進行を防止することがとても重要となります。
脂肪肝の分類
MASHは「生活習慣病の肝臓への反映像」とも呼ばれています。実際、MASHの患者さんには、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が合併している人がほとんどです。ただし、睡眠時無呼吸症候群やある種の薬の服用、あるいは十二指腸や膵臓(すいぞう)の手術後に起こる栄養吸収障害が発症の原因になることもあります。

ただの脂肪肝から、炎症を生じてMASHへと進展してしまう原因は何でしょうか。
以前は、(1)まず生活習慣病から脂肪肝が発症し、(2)そこに内臓脂肪から炎症を起こす因子が分泌されることなどによって炎症が生じる、という「2段階説」が考えられていました。しかし最近の研究では、MASH発症には「インスリン抵抗性」「酸化ストレス」などとともに、遺伝的な体質(PNPLA3などの一塩基多型)がMASHの病態進行に深く関連しているということもわかっています。

なお、肝炎の原因はお酒や生活習慣病だけではありません。肝炎ウイルスの感染や、免疫系が自分自身の肝臓を攻撃してしまっている場合などもあります。こうしたケースではMASHとは異なる治療が必要なため、検査で確認する必要があります。

【早期発見のポイント】

  • 肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病
  • 健康診断で、脂肪肝や肝機能異常を指摘されたことがある(ALTが約30IU/L以上)
  • お酒をあまり飲まない(1日に日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本以下)のに脂肪肝

脂肪肝には自覚症状はほとんどありません。脂肪肝の有無は、腹部エコーや血液検査で簡単に確認できるので、まずは健康診断をきちんと受けましょう。
脂肪肝が見つかった場合、それがただの脂肪肝なのか、炎症や肝線維化を伴うMASHなのかが問題になってきます。それを確認するには肝組織を調べる(肝生検)必要がありましたが、ここ数年は血液検査値の組み合わせや肝硬度測定(エコーやMRIを使用して肝臓の硬さをはかる検査)等を組み合わせて診断をする方法もあります。

【血液検査】

  • AST(GOT)、ALT(GPT):肝細胞の炎症を示す酵素。MASHではALTが上昇することが多い。
  • γ-GTP:肝臓への負担や胆道の異常を反映。
  • 血小板数:肝線維化が進むと低下することがある。
  • フェリチン:炎症や酸化ストレスの指標として注目されている。
  • 線維化マーカー(Fib4index、M2BPGi、ELFスコア):肝生検に代わる非侵襲的な診断法として、肝硬変への進行度を評価し治療効果をモニタリングするために使われる。

【エコー検査(肝硬度測定)】

超音波で肝臓の状態を観察します。脂肪が蓄積すると、肝臓が白っぽく見えるのが特徴です。
さらに、SWE(Shear Wave Elastography:シアウェーブエラストグラフィー)という技術を使用し、肝臓の硬さ(肝硬度)を数値化して評価できます。

【SWEの基準】

  • SWE値が1.5以上:将来的に肝硬変へ進行するリスクあり
  • SWE値が1.9以上:すでに肝硬変に進展している可能性が高い

【CT検査】

X線で肝臓の断面を撮影し、肝がんや肝硬変(肝表面の凹凸、脾臓の腫大、腹水など)がないかを確認します。同時に内臓脂肪や皮下脂肪、筋肉量を測定し、今後の治療に役立てます。

【予防と治療】

メタボリックシンドロームの対策と肝障害の予防が主な治療法となります。
肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を改善させることが重要ですので、食事療法や運動療法などを通して、きちんと見直していきましょう。

【食事療法について】

・栄養バランスの良い食事
ご飯やパンなどの主食や、肉、魚、卵、大豆製品、野菜や海藻などの副食を、1日3食規則正しく摂取しましょう。
また、不飽和脂肪酸を多く含む青魚(サバ、ブリ、サワラなど)やビタミンEを多く含む緑黄色野菜(青菜、ニラ、ブロッコリーなど)を積極的に摂取しましょう。

・揚げるよりも茹でる、蒸す調理法を選びましょう
同じ食品であっても、調理法によってエネルギー量は異なります。茹でたり蒸したりした食品は、揚げた食品よりも脂質量が少なくなります。
網やオーブンで焼いたり、グリルしたりする調理方法も脂肪が減少するため、摂取カロリーの量も少なくなります。

・脂質が多く含まれる食品は控えましょう
動物性油脂(ラード、バターなど)は、飽和脂肪酸を多く含まれているため控えましょう。脂肪分の多い肉や洋菓子(ケーキなど)の過剰摂取にも気をつけましょう。

・主食のみを摂る食事は避けましょう
ご飯やパン、麺などを食べすぎると、余分なエネルギーが中性脂肪として肝臓に蓄積されます。具が沢山入った料理を選んだり、副菜としてサラダを1品足したりするなど、工夫をしてみましょう。

・飲酒は避けましょう
肝臓に障害を抱える方は、肝機能が低下しているため、基本的には禁酒しましょう。
また、アルコールは中性脂肪の生成を促進し、脂肪肝を進行させます。そのため、飲酒量や飲酒期間が長いほど、脂肪肝やアルコール性肝炎などの肝臓の病気を引き起こしやすくなります。
日本酒換算で、毎日約7合を15年以上継続的に飲むと、約50%の方が肝硬変を発症すると言われています。

・お菓子や清涼飲料水を摂る量を控えましょう
お菓子の摂取量や回数を減らしましょう。買い置きをせず、食べる分だけお皿に盛り付け、残りは目につかない場所に保管するなどの工夫を試してみましょう。
清涼飲料や缶コーヒーには、脂肪肝の進行を助長する果糖が多く含まれています。また、果物も過剰に摂取しないようにするなど、常に食事や飲み物に気をつけましょう。

【適度な運動と減量について】

脂肪肝を改善するには、体重を減らすことが肝要です。ただ、脂肪肝を改善するには、7%以上の減量が必要であり、70kgの体重なら約5kgの減量が求められますが、これを実践するのは容易ではありません。
また、運動の習慣化によって、肝機能障害や脂肪肝を改善することも可能です。肥満と脂肪肝を抱える方が、週3~4回、30~60分の有酸素運動を4~12週間継続すると、体重が減少しなくても肝臓の脂肪化が改善されることが証明されています。
さらに、筋力トレーニングとしても知られる適度な運動は、有酸素運動よりも消費エネルギーが少ないのですが、肝臓脂肪の分解を促進します。
運動は他の生活習慣病の予防や改善にも有効とされているので、積極的に取り組んでください。

【薬物療法について】

脂肪肝の改善効果が認められている薬も存在します。糖尿病治療に使用されるピオグリタゾン、SGLT2阻害薬、GLP1作動薬は、肝機能や肝組織の線維化を改善させるのに有効だと言われています。
高血圧の場合、肝機能改善にはACE阻害薬とARBが有効です。脂質異常症においては、悪玉コレステロールを降下させるスタチン系薬剤やフィブラート系薬剤による、脂肪肝改善の可能性が報告されています。
さらに、ビタミンE製剤も脂肪肝の改善に期待できると報告されています。このように、様々な治療法が存在しますが、脂肪肝そのものに対して保険適用される治療薬は、現在のところ存在していません。
肝機能障害
肝機能障害をご存じですか。ここでは、肝機能障害についてお伝えしていきます。肝臓はお腹の右上で横隔膜の下、胃の隣にあります。成人での重量は1200~1500gであり、人体では最大の臓器です。肝臓には、食事で吸収した栄養から人体に必要なものを作ったり、人体に不要なものを分解したりする働きがあります。

肝臓の細胞が壊れると肝細胞内に含まれる酵素(肝酵素:ASTやALT)が血液中に出てきます。また、脂肪の消化・吸収を助ける胆汁が流れる胆道に関連した酵素(胆道系酵素:ALPやγ-GT)も肝機能障害の指標となります。

血液中の肝酵素や胆道系酵素の数値は、通常では一定の範囲におさまっていますが、肝機能障害では基準範囲を超えて上昇します。また、肝機能障害が進行すると、血液中の肝臓の働きを示す指標(アルブミンやビリルビンなど)も異常となります。
肝機能障害では自覚症状がないことが多く、血液検査で初めて肝機能障害が分かる場合がほとんどです。血液中の肝酵素や胆道系酵素の数値は肝機能障害の程度を反映するため、数値が高いほど肝臓の障害が大きいことを意味します。肝機能障害を認めた場合には、障害の程度や原因によっては薬物治療が必要な場合もあります。一方で肝機能障害を放置した場合には、肝硬変や肝臓がんなど生命に関わる重大な病気に進行する可能性もあります。 ご自身の肝臓の状態を知るために、ぜひ健診を受けてください。

【原因】

代表的な原因には、①肝炎ウイルス、②薬物、③アルコール、④脂肪肝などがあります。

①肝炎ウイルス

肝炎ウイルスにはB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなど血液や体液を介して感染するものやA型肝炎ウイルスやE型肝炎ウイルスなど食事の摂取により感染するものがあります。
このうちC型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスは肝臓がんの原因です。現在は、飲み薬の治療によりC型肝炎では9割以上でウイルス排除が可能になり、B型肝炎でもウイルスを押さえ込むことが可能になりました。

肝炎ウイルス

・B型慢性肝炎

B型慢性肝炎の患者さんに持続感染しているHBVは身体から完全排除することは出来ないことがわかっています。C型慢性肝炎の場合にはウイルス(HCV)に対する直接作用型抗ウイルス薬(DAA)の内服治療により、高率にウイルスの増殖を抑え、ウイルスを完全に排除することができます。一方で、HBVに対してはIFNを用いても、後述の核酸アナログ製剤を用いても、現在の治療薬ではウイルスの完全排除は期待できません。これがHBVに対する治療とHCVに対する治療の根本的な違いです。これをふまえてB型慢性肝炎の治療をすることになります。

慢性肝炎の場合でも肝機能が正常の場合は治療対象とならない患者様も存在します。治療対象となる患者様はALT31U/L以上かつHBV DNA量3.3log IU/mL以上の患者様です。ただし、ALT31U/L以下であっても、肝臓の線維化が進んでいると考えられる患者様は治療対象となります。
肝硬変の場合はHBV DNAが陽性であれば治療対象となります。

・HBVに対する治療

核酸アナログ製剤(内服薬)とインターフェロン(IFN)(注射薬)の2種類に大きく分けられます。

核酸アナログ製剤(エンテカビル、テノホビル、ベムリディ)
核酸アナログというのは、DNAやRNAが作られるために必要な材料の核酸に構造が似ているけれども少しだけ違うもので、ウイルスのDNAの合成を阻害してウイルスを増えられなくします。従って直接ウイルスに作用してHBVの増殖を抑えて肝炎を鎮静化させることになります。薬に対する耐性ウイルスがいなければ、薬が効いている間はHBVのウイルス量は低下し、肝炎は起きなくなってきます。肝硬変で常時腹水がたまっている患者さんが、核酸アナログ製剤の長期投与で肝機能が改善し腹水が消失することもしばしばあります。しかしIFNと異なり、薬を中止すると多くの症例で肝炎は再燃します。一旦内服を開始してから患者さん自身の判断で核酸アナログ製剤を自己中止しますと、時に肝炎の急性増悪を起こし、 最悪の場合肝不全で死に至る場合があります。絶対に核酸アナログ製剤を自己中止してはいけません。

核酸アナログ製剤のもう一つの問題点は、薬剤耐性株(変異株)と呼ばれる核酸アナログ製剤が効かないHBVが出現することです。初期に保険適応となった核酸アナログ製剤では長期投与により3年間で半数近くの患者さんに薬剤耐性株が出現することが分かりました。なかには、耐性株出現により肝炎が重症化する症例もありました。しかし最新の核酸アナログ製剤は、薬剤耐性株の出現頻度が非常に低く、また以前の核酸アナログ製剤で耐性株が出現した場合にはもう1種類の核酸アナログ製剤を併用すれば耐性株を抑えることができることがわかり、比較的安全に核酸アナログ製剤が使用できるようになりました。

IFN療法
インターフェロンというのは風邪をひいたりしたときに体の中で作られる、抗ウイルス作用があるたんぱく質です。これを薬剤として作り上げたものが薬として使われています。慢性肝炎の状態にある患者さんが治療の対象になります。B型慢性肝炎に対するIFN療法は、HBe抗原陽性例に対して週3回のIFNの筋肉あるいは皮下注射を24週間、あるいはHBe抗原の有無にかかわらず、ペグインターフェロンα2a製剤の週1回48週間投与が保険適用となっています。IFN療法が奏効すればIFN投与を中止してからも、そのままHBVは増殖せず肝炎は鎮静化します。しかしIFNの効果が不十分でHBe抗原が陰性化しない症例、IFNを中止するとHBVが再度増えて肝炎が再燃する症例も多く、IFN療法の奏効率は30~40%と言われています。

IFN療法の副作用は、開始当初にインフルエンザにかかったときのような38度を超える発熱・全身倦怠感・関節痛・筋肉痛が最もよく認められます。ただしこれらの副作用はIFNを継続して投与していくと徐々に落ち着き、数週後には多くの患者さんでは出現しなくなります。また白血球、血小板、まれに赤血球の低下が起こります。これはIFNが血球を作る骨髄の働きを抑えるためです。糖尿病の患者さん、また膠原病の患者さんは、症状が増悪することがあります。全員ではありませんが、時に間質性肺炎という特殊な肺炎になる患者さんもいます。間質性肺炎になると稀に命にかかわる場合がありますので、強固な空咳、胸痛などが出現した場合はすぐに胸部レントゲン写真を撮影し、間質性肺炎と診断されればIFNを中止して肺炎の治療が必要です。またIFN療法中に時にうつ病になる患者さんがいます。また眼底出血、脱毛、タンパク尿などが出現することがあります。

このように、強い副作用があること、また、核酸アナログ製剤が奏功することから、IFNによる治療はあまり行われなくなっています。

費用面では、IFN療法と核酸アナログ製剤治療のいずれも、医療費助成制度によって収入額により1万又は2万円の自己負担で治療を受けることができます。肝炎情報センターのホームページに情報があります。また、厚生労働省のホームページにも制度の紹介があります。

・C型慢性肝炎

C型肝炎とはC型肝炎ウイルス(HCV)の感染により起こる肝臓の病気です。HCVに感染すると約70%の人が持続感染者となり、慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進行する場合があります。
10年前の2015年には88万~130万人程度と推定されていた日本におけるHCV感染者も近年はDAA(直接作用型抗ウイルス薬)の普及により多くの患者が治癒に至り、感染者数は減少傾向にあります。しかしながら、依然としてHCV感染を認識していない人や認識していても通院されていない人が多いのが現状です。
また現在においても、肝がん患者の約50%がHCV抗体陽性者であり、抗ウイルス療法が進歩した現在においても、未だに年間2万3千人が肝がんにより亡くなっている現状があります。
肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれ、肝炎になっても自覚症状はほとんどありません。そのため、気づかないままおよそ 20~30年で肝がんへと病気が進んでいきます。進むスピードは個人差があり、60歳をこえると肝がんになる確率が高くなります。病気が進むと治療も難しくなります。早めに検査をして、感染していないか確認しましょう。

C型慢性肝炎

・HCVに対する治療

C型慢性肝炎に対するもっとも根本的な治療は、HCVを体内から排除することです。以前はインターフェロンを用いた治療がおこなわれていましたが、現在はほとんどの方がインターフェロンフリーの飲み薬での治療を受けています。また、2019年2月より重度の非代償性肝硬変の方でも内服可能な薬が登場しました。抗ウイルス薬は非常に高価ですが、肝がんの合併がない方は医療費助成を受けることが可能なため、自己負担は少額で済みます。

②薬物

お薬や健康食品,アルコールでも肝機能障害がおきることがあります。医療機関からの処方薬に比べ、市販薬や健康食品では肝機能障害の発見が遅れることがあり注意が必要です。

③アルコール

アルコールが体内に入ってくると、肝臓では分解されるときにできる有害物質「アセトアルデヒド」が無くなるまで代謝し、分解し続けます。
長期に渡り大量のアルコールを飲み続けると、アルコールを分解する酵素の働きが活発になり、肝臓が働き続けるため機能が低下しアセトアルデヒドを分解できなくなる原因になります。
その結果、肝臓の細胞の変化が恒常的に続くようになり、肝細胞の変性・壊死と肝細胞の線維化が起こり肝臓の働きが衰えてきます。
これが、アルコール性肝機能障害です。また遺伝的な要因もありますが酵素が少ない方や女性はホルモンの影響を受けやすいことから男性に比べてアルコールの代謝速度が遅いため注意が必要です。

お酒の「適量」は、一般的に純アルコール量で1日20g程度(ビール中瓶1本、日本酒1合など)が目安ですが、性別、年齢、体質で大きく異なり、女性や高齢者は少なめ、顔が赤くなる人はさらに少ない量が適当です。生活習慣病のリスクを高めるのは男性で1日40g以上、女性で20g以上とされ、休肝日を設け週2日以上の飲まない日を作ることが重要です。

純アルコール20gに相当する酒量

C型慢性肝炎

・アルコール性脂肪肝

【原因について】
一般的に、アルコールを多量に飲み続けた場合、または飲酒に伴ってつまみなどを食べ過ぎる事により、中性脂肪が肝臓に蓄積することが大きな要因です。

【症状について】
倦怠感や疲労感の症状が現れることもありますが特に目立った症状はなく、健康診断で肝機能障害の異常を指摘される事が多いです。
他にお腹のハリ感、しくしくするような痛み、食欲不振が現れることもあります。

【治療について】
節酒、禁酒を行い、栄養バランスのとれた食生活を続けて、適度な運動により基礎代謝を向上させれば短期間で改善されます。必要に応じて合併症(脂質異常症、高尿酸血症、高血圧など)に対する内服治療を行います。
再度飲酒生活に戻ると元に戻ってしまいます。

・アルコール性肝炎

【原因について】
アルコール性脂肪肝を放置、または気付かないまま大量の飲酒を続けた場合に急激に肝臓の状態が悪化し肝細胞が急速に壊れるために起こります。

【症状について】
全身倦怠感、食欲不振、吐気嘔吐、黄疸、肝腫大や消化器症状を伴うこともあります。
重症化すると、吐血、意識障害、出血傾向、腹水の出現があり劇症肝炎のような経過をたどって1ヶ月以内に死亡することもあります。

【治療について】
アルコール性肝炎で症状が激しい場合には入院治療が必要になります。
禁酒と安静を保ち、輸液で脱水と電解質異常の改善を行います。多くの場合、治癒後も精神科専門医によるアルコール依存症の治療が必要になります。

・アルコール性肝硬変

【原因について】
肝細胞が破壊され、線維化が進んで硬化(硬くなる)します。肝臓は再生能力が高いため、破壊されずに残っている肝細胞が機能の低下を防ごうと増殖しその結果、肝臓の表面に、結節がいくつも形成され、もう元の肝臓に戻る事はありません。
過度の飲酒が原因で起こった肝臓病の終末像です。

【症状について】
肝硬変の初期には食欲不振や全身の倦怠感、症状が進行するにつれ、黄疸や下肢の浮腫、腹水などがみられ、さらに悪化すれば食道静脈瘤や肝性脳症を招き、生命に関わる事態になります。

【治療について】
肝硬変にまで進行すると、肝臓を元の状態に戻すことはほとんど不可能です。
しかし、肝臓がある程度働きを保っている代償期に禁酒と安静を徹底し、バランスの良い食生活を続けていれば、それ以上の進行を抑える事ができます。専門医による治療が必要となります。
慢性胃炎

慢性胃炎は、持続的な胃粘膜の炎症が特徴です。その背景にはさまざまな要因が存在します。慢性胃炎とは、胃の粘膜に炎症が長期間にわたり継続して起こる状態をいいます。
初期段階ではほとんど症状がない場合もありますが、炎症が繰り返されるうちに胃粘膜が萎縮し、胃酸の分泌量や消化機能に影響が及ぶことがあります。
萎縮が進むと栄養の吸収効率が落ち、全身の健康状態にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早期の発見と対処が重要です。


【慢性胃炎の種類】

慢性胃炎は、胃粘膜の炎症が起こる部位や病態の違いによって分類されます。大きく分けると表層性胃炎、萎縮性胃炎、鳥肌胃炎の3 種類が代表的とされ、それぞれ原因や症状の程度も異なります。


・表層性胃炎

胃粘膜の最表層の部分に炎症が集中して起こるタイプで、初期段階の胃炎として発症することが多いです。比較的軽度の胸やけや胃もたれなどの症状が見られることが一般的ですが、放置していると炎症が深部にまで広がる可能性があります。定期的な検査と胃に負担をかけない生活を意識することが症状悪化を抑えるポイントです。


・萎縮性胃炎

長期にわたる炎症が原因で、胃粘膜が次第に薄くなり萎縮した状態を指します。腺細胞が減少し、胃酸分泌の低下や栄養吸収機能の衰えを招くことがあります。この段階になると、無症状でも将来的に胃がん発症リスクが高まるため、原因療法や定期的な内視鏡検査が重要になります。


・鳥肌胃炎

内視鏡で観察すると、胃粘膜に鳥肌が立ったような凸凹した変化が認められることからこの名がつけられています。ピロリ菌感染が大きく関わっている場合が多く、炎症の程度や菌の活動性によって治療方針が変わります。状態によっては生検で病理検査を行い、悪性化の可能性を慎重に判断することもあります。


【慢性胃炎の原因】

慢性胃炎の主な原因として、感染や自己免疫異常などさまざまな要因があります。慢性胃炎の原因は多岐にわたりますが、その中でも特に注目されるのがピロリ菌の感染です。
同時に、自己免疫の異常や過度なストレス、食習慣などが重なることで炎症が長期化しやすくなります。複合的な要因が絡み合って発症するケースも多いため、どの原因が主に関係しているのかを絞り込むのが治療の第一歩となります。


・ピロリ菌感染

ピロリ菌は強い酸性の胃内でも生息できる特殊な菌で、慢性胃炎や胃潰瘍だけでなく、胃がんの主要なリスク要因と考えられています。長期間住みつくことで胃粘膜を傷つけ、炎症が慢性化しやすくなります。早期に検査を受け、感染が確認された場合は除菌を行うのが一般的な対策です。


ピロリ菌除菌療法

ピロリ菌が原因の胃潰瘍では、除菌治療が極めて重要です。標準的な除菌療法は以下の通りです。

  • 一次除菌療法:PPI(またはP-CAB)と2種類の抗生物質(アモキシシリンとクラリスロマイシンなど)の3剤併用療法を1週間行います。
  • 二次除菌療法:一次除菌に失敗した場合は、別の抗生物質の組み合わせによる治療を行います。

・自己免疫性胃炎

自己免疫反応が原因で胃粘膜が傷つけられ、慢性的な炎症が続くタイプの胃炎です。比較的まれな疾患ですが、萎縮性胃炎への移行リスクが高い場合があり、結果的に胃の蠕動や消化機能に影響を及ぼすことがあります。早期の診断と的確な治療によって症状の進行を抑えることが可能です。


・過度なストレスや生活習慣

日々の生活習慣やストレスは胃粘膜に大きな影響を与えます。過度のストレスで自律神経のバランスが乱れると、胃酸の分泌や粘膜の修復力に悪影響を及ぼします。また、飲酒や喫煙、塩分の多い食事や刺激物の摂取なども炎症を悪化させる要因となるため、見直しが必要です。


慢性胃炎は症状が乏しくても、放置すると萎縮性胃炎やさらなる合併症のリスクを高める疾患です。定期的な内視鏡検査による早期発見と、ピロリ菌感染があれば除菌治療を行うことで、炎症の進行を抑えられます。あわせて生活習慣やストレス管理にも配慮し、総合的なアプローチで健康的な胃を保っていきましょう。

胃潰瘍

胃潰瘍とは、何らかの理由で胃の粘膜に傷がついた後、胃酸などの攻撃によって穴が開き、傷が粘膜の下にある粘膜下層や筋層などといった深いところまで達して、胃の壁の内側にくぼみ状の病変(潰瘍=かいよう)を生じた状態をいいます。進行すると組織がえぐられるように欠損し、場合によっては胃の壁に穴があく穿孔をおこし、重篤な状態に至ることもあります。
潰瘍をきたす原因としては、幼少時から胃の中に住みつき、持続的に胃の粘膜を障害するピロリ菌や、NSAID(ボルタレンやロキソニンなど)といわれる鎮痛解熱薬などによるものがあります。そのほか、ストレス、刺激物の過剰摂取や暴飲暴食、胃腸炎などに伴う細菌・ウイルス感染、過労などが挙げられます。


症状としては、腹部が中心の不快感・違和感などがあります。具体的には、主に上腹部を中心とした腹痛、背部痛、吐き気、もたれ感、腹部膨満感などです。潰瘍から出血をきたした場合は、吐血したり、黒色の便やタール便(コールタールのように真っ黒な便)が認められたりします。


胃潰瘍の治療は、原因や症状の重症度に応じて選択されます。近年では、特に薬物療法において顕著な進歩が見られており、治癒率の向上に寄与しています。


1.酸分泌抑制薬による治療

胃潰瘍治療の基本は胃酸分泌を抑制することです。主な酸分泌抑制薬には以下のものがあります。

  • プロトンポンプ阻害薬(PPI):胃酸分泌を強力に抑制する薬剤で、1991年の登場以降、治癒率を飛躍的に向上させました。PPIは胃壁細胞の酸分泌の最終段階を阻害します。
  • カリウム競合型アシッドブロッカー(P-CAB):ボノプラザンなどの新しいクラスの薬剤で、PPIよりも速やかに胃酸分泌を抑制し、効果が持続するという特徴があります。
  • H2受容体拮抗薬:1982年に登場した薬剤で、ヒスタミンH2受容体をブロックすることで胃酸分泌を抑制します。PPIに比べると効果はやや弱いものの、夜間の酸分泌抑制に優れているとされています。

2.ピロリ菌除菌療法

ピロリ菌が原因の胃潰瘍では、除菌治療が極めて重要です。標準的な除菌療法は以下の通りです。

  • 一次除菌療法:PPI(またはP-CAB)と2種類の抗生物質(アモキシシリンとクラリスロマイシンなど)の3剤併用療法を1週間行います。
  • 二次除菌療法:一次除菌に失敗した場合は、別の抗生物質の組み合わせによる治療を行います。

除菌治療後は、胃潰瘍治療のため胃酸分泌抑制薬による内服治療を継続します(胃潰瘍は8週間、十二指腸潰瘍は6週間程度)。


胃が荒れやすい方や、脳血管障害・虚血性心疾患・不整脈といった治療のために血をサラサラにする薬(抗血栓薬)などを飲まれている方は、予防的にPPIやH2ブロッカーなどの胃酸を抑える薬や粘膜保護剤などを定期的に服用することが望まれます。
また、衛生環境の改善などによりその比率は減ってきていますが、いまだに胃潰瘍の主な原因はピロリ菌です。胃の中にいる場合は、潰瘍や胃がんの予防のために、P-CABと抗生剤の2剤を1週間朝と晩に内服するピロリ菌の除菌治療を、若いうちに受けておくことが効果的です。
また、過度の食塩摂取は、胃の表面を守っている粘液を減らして胃によくないといわれているので、避けた方がよいでしょう。そして、日頃から喫煙・飲酒・暴飲暴食を避け、充分休養を取って胃腸にストレスをかけない生活を心がけることが基本です。

胃ポリープ

胃の内側(粘膜)にできる"いぼ状の隆起"のことを胃ポリープといいます。
大きさは数ミリのものから1cm以上のものまでさまざまで、形も平らなもの・丸いものなど多様です。
胃ポリープの多くは良性ですが、種類によっては注意が必要なものもあります。


【胃ポリープの種類】

  • 過形成性ポリープ(かけいせい)
    炎症やピロリ菌感染の影響でできる良性のポリープです。がん化することはまれですが、大きくなったり出血を伴う場合は切除を検討します。
  • 胃底腺ポリープ(いていせん)
    胃の上部に多く見られ、ピロリ菌のいない方にできやすいタイプです。通常は良性で、がん化することはほとんどありません。経過観察で問題ありません。
  • 腺腫性ポリープ
    多くは良性ですが、まれにがん化することもあり、前がん病変とされています。必要に応じて内視鏡での切除が検討されます。

胃ポリープの多くは良性ですが、種類によっては経過観察が必要なものや、早めの切除が望ましいものもあります。良性のうちに確認・治療を行うことが、将来の胃がん予防につながります。

胃がん

胃がんは、胃の内壁を覆う粘膜の細胞が何らかの原因でがん細胞に変わり、無秩序に増殖することで発生するがんです。
がんが大きくなると、徐々に粘膜下層、固有筋層、漿膜へと外側に向かって深く進行していきます。

がんの進行に伴って、胃の近くにある大腸や膵臓、横隔膜、肝臓などにも直接広がっていきます。このようにがんがしみ出るように周囲に広がっていくことを浸潤(しんじゅん)と呼びます。

40歳以上になると発症率が上昇し、60歳代にピークを迎えます。高齢化に伴い高齢者の胃がんが増えており、女性よりも男性に多い傾向があります。
早く発見できれば胃カメラで切除、根治することができますが、ステージが進んで進行がんになると手術が必要です。

胃がんの初期段階では多くの場合、無症状なことが多く、定期検診や胃がん検診で偶然発見されることも珍しくありません。
胃がんの代表的な症状は、胃の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などが挙げられます。がんの出血による貧血や黒色の便やタール便(コールタールのように真っ黒な便)がでることもあります


胃がんに限らず、がん全般の予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、適度な運動が有効であることが分かっています。
タバコはほとんどのがんで発症のリスクになるので禁煙を心がけましょう。食生活では、塩分をとりすぎない、食物繊維をとる、脂肪分の少ない食事を心がけることが大切です。

逆流性食道炎

胃液が胃から食道へ逆流する状態で、食道の粘膜がただれて(炎症が起きて)しまう病気です。
通常は胃液や食べ物が逆流しないよう、食道と胃の間の筋肉(下部食道括約筋)が機能していますが、この筋肉が上手く働かないことによって胃食道逆流症が生じます。


【原因】

  • 生活習慣によるもの
    ①過度の飲酒
    ②脂肪の多い食物の摂取
    ③肥満
    ④カフェイン入り飲料や炭酸飲料
    ⑤喫煙
    ⑥ストレス
  • 胃と食道がつながる部分の構造の異常
    ①食道裂孔ヘルニア
    ②胃切除手術後
  • 薬剤性
    降圧薬などの血管を拡げる薬(Ca拮抗薬、硝酸薬など)

【症状・概要】

  • 多くの場合、胸やけ症状から始まります
  • 逆流が進むとのどにまで症状が広がることがあります
  • 食後や横になったとき、前に屈んだときなどに症状が出やすいとされています

【主な症状】

  • 胸やけ
  • 飲み込みづらさ
  • 胸の痛み
  • かすれ声
  • 痰のない咳
  • 息切れ
  • 呑酸(喉の奥に胃液がこみ上げる)

食道の炎症が強くなると出血する場合があります

  • 吐血
  • 真っ黒な色の便が出る

進行すると潰瘍ができ、痛みが強くなる

  • 逆流が繰り返し起こると食道がんへと進行するリスクが高まるため注意が必要です(バレット食道)

【治療】

基本的に炎症や潰瘍の治療には胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬やカリウム競合型アシッドブロッカー、H2ブロッカーなど)を用います。

  • 薬剤性の可能性がある場合は、他の病気の治療のために飲んでいる薬を見直す必要があります。
  • 薬で症状が改善しない場合や、症状が改善しても食道炎が持続する場合は手術を検討する場合もあります。

胃食道逆流症によって食道の狭窄がある場合には、薬や器具によって広げることがあります。

  • バルーン拡張術(内視鏡下に風船で拡げる治療)
  • ブジー:ブジーと呼ばれるゴム製の管で直径を徐々に大きくする

【生活上の工夫】

  • 肥満があれば減量
  • 食後すぐに横になることを避ける
  • 睡眠時に頭を高くして寝る
  • 禁煙
  • 刺激物を避ける(コーヒーやアルコールなど)

逆流性食道炎は、高齢者でよく見かける病気です。未治療の場合には、日常生活に制限が生じる狭心症よりも生活の質(QOL)が低下することが報告されています。しかし治療により健康な人と同程度に戻ることも知られています。気になる症状があった場合には、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

大腸ポリープ

大腸の粘膜にできる良性の隆起です。しかし、中にはがん化する可能性を持つポリープも存在します。
大腸カメラで発見された場合、その場で切除できることが多く、将来的な大腸がん予防につながります。


定期的な検査で早期発見し、必要に応じて切除することが重要です。

大腸がん

大腸の表面の粘膜にできたがんを大腸がんと言います。
大腸の内側の粘膜に生じるイボ状のできものである「ポリープ」は、ほとんどが良性です。しかし一部にがん、あるいは悪性化する可能性のある良性の腫瘍である「腺腫」が含まれます。大腸がんで最も多いのは腺腫が時間をかけゆっくりと大きくなり、悪性化してがんになるパターンです。
この他にポリープの状態を経ずに、粘膜から直接がんが発生することもあると言われています。

大腸がんは進行が比較的遅いため、早期発見で治癒の可能性が高まります。40歳以上の方は年1回の便潜血検査や、必要に応じて大腸カメラを受けることが推奨されています。血便や便通異常、腹痛などの症状がある場合には速やかに検査を受けましょう。


発症リスク

大腸がんは特にS状結腸や直腸など食べ物が長くとどまる部位で発生が多く、発がん物質と接触することがリスクになると考えられています。
最近高脂肪、低繊維食の欧米型食生活が広がり、それが影響していることが指摘されています。脂肪の多い食物は腸内で胆汁酸や腸内細菌が作用しあって発がん物質ができ、それが大腸の粘膜と長期にわたって接触するうちにがんが発生します。また緑黄色野菜の不足、飲酒、運動不足、ストレスも関係があると考えられています。


食生活

  • 動物性脂肪の過剰摂取:腸内で胆汁酸と腸内細菌が作用し、発癌物質が生成されやすくなります。
  • 加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)の過剰摂取:亜硝酸塩などの添加物が発がん性に関与する可能性があるとされています。
  • 食物繊維不足:野菜、果物、全粒穀物などの食物繊維は便のかさを増やし長の蠕動運動を促進、発癌物質の停滞を防ぐとされています。

運動習慣

日常的な身体活動は大腸がんの発症リスクを低下させることが科学的に示されています。特に運動不足はリスクを高める要因の一つであり、無理のない範囲での定期的な運動が推奨されます。


飲酒・喫煙

  • 喫煙:大腸がんの発生リスクを高めることが報告されています。
  • 飲酒:1日アルコール15g以上の摂取でリスクが上昇するとされています。飲酒は控えめにすることが望ましいです。

体調管理

肥満は慢性的な炎症やインスリン抵抗性を引き起こし、がん細胞の増殖を助長する可能性があります。適正な体重を維持することが大腸がん予防に有効です。

炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)

炎症性腸疾患は、消化管の粘膜に原因不明の炎症や潰瘍が生じる慢性疾患の総称で、代表的疾患に潰瘍性大腸炎とクローン病があり、いずれも慢性的に症状が続いたり、寛解・再燃を繰り返す特徴があります。


【潰瘍性大腸炎】

大腸粘膜に直腸から連続的に炎症がみられ、しばしばびらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異的炎症です。
経過中に再燃と寛解を繰り返すことが多く、腸管以外にも合併症を伴うことがあります。長期間かつ広範囲に炎症がある場合には、癌化のリスクもあります。
症状としては下痢、血便、腹痛、発熱などがあります。

潰瘍性大腸炎、推定発症年齢

潰瘍性大腸炎は増加傾向にあります。比較的若い方に発症し、10歳代から30歳代前半に好発するとされていますが、高齢者人口の増加とともに、高齢発症の潰瘍性大腸炎の報告も増えてきています。


【原因・リスク因子】

原因は不明ですが、遺伝的要因や環境因子により、腸粘膜の免疫調整機構が傷害されて炎症を生じているのではないかと考えられています。家族にIBD患者さんがいる場合には、発症リスクが高まるとされています。


【検査・診断】

検査としては生検を含めた大腸カメラ、腹部超音波検査、CT検査などを行います。そのほか、診断の補助や活動性判定の補助として腸管粘膜の炎症反応を示すバイオマーカーである便中カルプロテクチンや炎症局所で産生される血清バイオマーカーであるロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)も使用して、総合的に診断、活動性評価などを行います。


【治療】

潰瘍性大腸炎の治療の中心は、5−アミノサリチル酸(5-ASA)製剤とステロイド製剤になります。炎症が直腸やS状結腸が中心の場合には注腸療法や座薬を使用する場合もあります。
再燃する場合や、5-ASAおよびステロイド療法で効果が認められない場合(ステロイド抵抗性)、ステロイドの減量で症状が悪化する場合(ステロイド依存性)には、チオプリン製剤(アザチオプリン、6-メルカプトプリン)、血球成分除去療法(GCAP)、生物学的製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、ベドリズマブ、ウステキヌマブ、ミリキズマブ、リサンキズマブ、グセルクマブ)、低分子化合物(トファシチニブ、フィルゴチニブ、ウパダシチニブ)などが使用されます。
各薬剤にメリット、副作用を含めたデメリットがありますので、患者さんへご説明の上、治療方針を相談して決定させていただきます。

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